足の練習は手に比べて後回しにしやすいと思います。スティックは練習パッドがあれば家でも振れますが、バスドラムは踏める場所が限られるからです。
この記事では自分がXで書いてきた足まわりの気づきや練習法をバスドラムの踏み方と練習方法としてまとめます。プロドラマーから教わった方法にはその旨を書いています。
バスドラムは強く踏まず脚の重さで鳴らす
キックの音を大きくしたいときにつま先に力を入れて強く踏もうとすると逆効果になることがあります。脚は体の中でも筋肉が多くて重さもあるので、力を抜いて脚をストンと落とすほうがパワーのある音になりやすいです。
だから体の小さい人や子どもでもパワフルに鳴らせますし、その逆もあります。体が小さくても脚の重さを使えば大きな音が出せるところは、ドラムの面白さの一つです。
家でできる練習1:太ももを持ち上げて離す
ドラムがなくてもできる練習です。
- 椅子に座ってリラックスする
- 太ももを両手で下から持ち上げる
- 持ち上げた状態で手を離す
これを繰り返します。ポイントは脚の力を完全に抜いておくことです。脱力して脚を落とす感覚がつかめますし、腕の筋トレにもなるので一石二鳥です。
家でできる練習2:かかとを上げて力を抜く
- 椅子に座り、つま先を床につけたままかかとを上げる
- 上げた状態で止める(ふくらはぎに力が入るのがわかるはずです)
- そのまま力を抜く
力を抜いた瞬間にかかとがストンと落ちます。この落ち方が脚の重さを乗せたキックの感覚に近いです。どちらもペダルのない場所で感覚を確かめられます。痛みや違和感が出たら無理に続けないでください。
ヒールアップとヒールダウンの違いなど踏み方の型はドラムのフォーム・グリップ完全ガイドで紹介しています。
椅子の高さで足首の動かしやすさが変わる
椅子の高さは好みで決めてかまいません。ただ足首の動かしやすさで考えると高めのほうが有利です。
目安は座ってペダルに足を置いたときの膝の角度です。90度より大きく開いているかを見てください。90度より小さいと物理的に足首が動かしにくくなります。膝が90度より開き、体が安定する範囲で椅子を高くすると、足首が動かしやすくなり細かい動きもやりやすくなります。
毎回同じ高さにそろえる
スタジオやライブハウスではそのたびにセッティングをし直すことになります。あるプロドラマーはメジャーを持ち歩いて椅子の高さやシャフトの長さを毎回測っていました。スタンドなどの位置をガムテープやペンで床に印を付けることを「バミる」といいます。毎回ほぼ同じ位置に機材を置けるので便利です。セッティングが一定だと演奏も安定しやすくなります。
椅子の脚の向きにも気をつける
多くのスタンドは脚が3本で、脚が出ている方向には倒れにくい作りです。特に気をつけたいのがドラム椅子で、脚の1本をお尻側に向けて置いてください。一番体重がかかる方向に脚があると不意に倒れるリスクを減らせます。
椅子そのものの選び方はドラムスローンの選び方にまとめています。
フットボードのどこを踏むか
フットボードの踏む位置にもこだわったほうがいいと思います。手前を踏むほどパワーは増しますがコントロールは利きにくくなり、奥を踏むほどコントロールしやすくなる代わりにパワーは落ちます。
足裏のどこを使うか、靴下・裸足・靴のどれで踏むかによっても感触は変わります。どれが正解というより、自分にとっての最適解を見つけるのが理想です。
足も手と同じように分けて練習する
できるところまで落として足を少しずつ加える
叩けないフレーズに出会ったらできるところまで落とし込むのがおすすめです。テンポを落とせば叩けるならゆっくりから少しずつ速くしていく。右手と左手だけなら叩けるなら、そこに足を少しずつ加えていく。どこまでできて、どこからできないのかを把握することが大事です。
プロから教わった「4-wayチェンジアップ」
あるプロドラマーから教わった練習法で、自分にはとても効果がありました。
- BPM100で両手両足で4分音符を同時に叩く
- 右手だけを、たとえば4分→2拍3連→8分→3連→16分のように変えていく。そのあいだ右手以外は4分音符の同時打ちを続ける
- 右手が終わったら左手→右足→左足の順に同じことをする
両手両足で4分音符を叩き続けるなかで1本ずつ音符を変えていく練習です。
両手両足を同時に叩く基本の練習はリズムキープのコツで紹介しています。
左足の練習
日常で左足を使う
ドラマーは右利きの人が多いので、左手や左足がうまく動かないという話をよく聞きます。自分が試して有効だったのは日常生活で左手や左足を使う機会を増やすことでした。たとえば意識して左手でものをつかんだり作業したりする、左足から階段を上るといったことです。すぐに効果は出ませんが続けやすいのでおすすめです。
曲中の左足は曲に合わせて決める
自分は曲のグルーヴに合わせて左足を4分か8分で踏むことが多いです。ロック系のドラマーだと左足で4分を踏んでいる場面をよく見ます。ハイハットに少しドライヴ感が乗るので個人的には好きな癖ですが、バラードや跳ねる曲には合わないのでそういう曲では意図的に止めています。
ツインペダルの音量バランスには自転車も役立った
ツインペダルの音量バランスやリズムをよくするうえで、自分の場合は自転車が役に立ちました。高校時代は自転車で30分くらいかけてスタジオに通っていました。自転車は左右の脚にほぼ同じ負荷がかかりますし、脚の付け根から上げて下ろす動きはペダルを踏む動きに似ています。
はっきりした根拠があるわけではありませんが、個人的には効果がありました。ツインペダルの選び方はツインペダルの選び方で紹介しています。
バスドラムのパターンをたくさん持っておく
ドラムはバンドのリズムを担うパートなので、バンドの中でどういうノリを出したいかを意識したほうがいいと思います。鍵になるのはバスドラムとスネアの組み合わせで、個人的にはバスドラムが曲のノリの大半を決めると感じています。
ドラマーは手足をバラバラに動かしているように見えますが、ロックやポップスのようなシンプルな曲ではある周期やパターンを組み合わせている感覚に近いです。だからバスドラムのパターンをたくさん自分の中に持っておくと応用が利きますし、自分なりの型も作りやすくなります。8ビートの基本は8ビートの叩き方にまとめています。
ペダルは自分のものを持つ
本格的に上手くなりたいなら最初に買う機材として自分はペダルをすすめています。スティックと同じく体の延長線上にある機材なので、毎回同じものを使ったほうが上達は早いと思います。
自分のペダルがあると自分の基準ができるのも大きいです。基準があると機材の良し悪しを自分の感覚で判断できるようになります。正解があるわけではありませんが、その積み重ねで自分のスタイルができていくと感じています。
ペダルの選び方はバスドラムペダルの選び方、ビーターやセッティングで音を作る方法はバスドラムのサウンドメイキングで紹介しています。
最後は録音で確かめる
録音した音を遅くして聴くとズレや癖がわかりやすくなります。自分も録音した音を何度も聴いてバスドラムがややもたる傾向があるとわかりました。やり方はリズムキープのコツで書いています。
まとめ
- 強く踏もうとせず脱力して脚の重さで鳴らす。太ももを持ち上げて離す練習とかかとを上げて力を抜く練習は家でもできる
- 椅子は膝の角度が90度より開く高さにすると足首が動かしやすい。毎回同じ高さにそろえ、脚の1本をお尻側に向ける
- フットボードは手前ほどパワー、奥ほどコントロール。足裏の使い方や靴も含めて自分の最適解を探す
- 足は手と組み合わせながら分けて練習する。左足は日常から使い、曲によっては意図的に止める
- バスドラムのパターンをたくさん持ち、ペダルは自分のものを持つ
まずは椅子に座ったまま、脚の重さを落とす感覚から試してみてください。