「ヘッドを変えたらドラムの音が別物になった」
経験者なら一度は体験するこの感覚。実はドラムの音を決める要素として、シェル(胴)の素材と同じくらい、いやそれ以上にヘッドの種類が音に影響します。
同じドラムセットでも、ヘッドを交換するだけで音量・アタック・余韻・音の太さがガラッと変わります。この記事では、ヘッドの種類と音の違いを解説していきます。
※説明のしやすさを優先してREMOを前提に話を進めていきますので、ご了承お願いします!
ヘッドを決める3つの要素
ドラムヘッドの音は主に以下の3つの要素で決まります。
それぞれ詳しく見ていきましょう!
1プライ vs 2プライ──フィルムの枚数で音はどう変わる?
1プライ(1枚打面)
1枚のフィルムで作られた標準的なヘッドです。代表格のアンバサダーは**10mil(ミル=フィルムの厚さの単位)**の1枚張りです。
音の特徴:
- 音の立ち上がりが速く、オープンで自然な鳴り
- 心地よい余韻(サステイン)がある
- 繊細なタッチにも敏感に反応する
- テンションに対するレスポンスが素直
スネアの打面やタムの打面として広く使われる、最もスタンダードな選択肢です。
代表モデル: コーテッド・アンバサダー、クリア・アンバサダー
2プライ(2枚打面)
2枚のフィルムを重ねた厚めのヘッドです。代表格のエンペラーは**7milのフィルムを2枚(計14mil相当)**重ねた構造で、1プライのアンバサダーより厚く頑丈です。
音の特徴:
- 明るくパワフルで、アタック感が強い
- 余韻が1プライより短くコントロールしやすい
- 耐久性が高く、激しいプレイでも長持ち
- 大音量のバンドサウンドでも埋もれにくい
ロックやポップスの現場で多用される、パワー系のスタンダードです。
代表モデル: クリア・エンペラー
コーテッド vs クリア──表面仕上げで音色が変わる
コーテッドヘッド(Coated)
白くコーティングされ、表面がザラザラした質感のヘッドです。
音の特徴:
- 温かみのあるアタックと、深みのある余韻
- まろやかさと低域の太さを兼ね備えている
- ブラシ奏法にも対応(ザラザラした表面がブラシの音を活かす)
- ジャンルを選ばず幅広く使える「オールラウンドな音色」
スネアドラムやタムに張ることで、ヴィンテージ感のある温かいサウンドが得られます。世界中のスタジオドラマーに長年支持されているスタンダードです。ちなみに自分はコーテッドヘッドの方が好きです!
クリアヘッド(Clear)
コーティングなしの透明なフィルムのヘッドです。
音の特徴:
- 明るく透明感のある余韻(サステイン)
- アタックがはっきりして抜けの良いサウンド
- コーテッドより音がオープンに広がる
- モダンでクリーンな音色
ロックやポップスのライブ・レコーディングで、シャープでクリアなサウンドを求める場合に選ばれます。基本的にブラシ奏法では使われないです。
ヘッドを選ぶときのポイント
1. まずスネアのヘッドから変えてみる
ヘッドによる音の変化を最も体感しやすいのは**スネアドラム**です。初めてヘッド交換に挑戦するなら、まずスネアの打面ヘッドから試してみましょう。コーテッド・アンバサダーが最初の1枚としておすすめです。
なお、中級価格帯以下のドラムセットやスネアに最初から張られているヘッド(REMOの「UT」「UK」表記など)は、コストを抑えた量産型フィルムであることがほとんどです。これをUSA製のコーテッド・アンバサダーなどに張り替えるだけで、本来のポテンシャルが一気に引き出されます。「買ったばかりなのに音がしっくりこない」と感じたら、まずヘッド交換を試してみてください。
2. 表と裏で組み合わせる
プロの中には打面(表)と胴鳴り用(裏)を別のヘッドで組み合わせている方も多いです。例えばタムなら「表:コーテッド・エンペラー、裏:クリア・アンバサダー」といった具合に、表裏の組み合わせで音を作り込んでいます。
3. バスドラムはパワーストローク3から
バスドラムのヘッド選びで迷ったら、まずパワーストローク3を試してみましょう。これはアンバサダー相当(10mil)の1プライ打面の縁裏に、薄いアンダーレイ・リング(約3mil)を備えた構造で、その内蔵ミュートリングが余分な倍音を抑えてコントロールしやすいサウンドを生みます。プロにもバスドラム・スネアでの採用実績が豊富です。
4. ヘッドが古くなったら音も変わる
ヘッドは消耗品です。定期的に叩いていると徐々に伸び・ヘタりが生じ、どれだけチューニングしても音がまとまらなくなってきます。「チューニングしても音が悪い」と感じたら、ヘッドの交換を検討しましょう!
ヘッドの交換タイミングの目安
目安として、週に数回スタジオやライブで使う場合は数ヶ月で打面ヘッドを交換するプレイヤーが多いですかね!練習パッドメインなら半年〜1年以上もつこともあります。
まとめ
まずはコーテッド・アンバサダーをスネアに張ってみるところから始めてみるのが良いと思います!
ヘッド選びはセオリーやド定番から始めると失敗が少ないですが、最終的に頼るべきは「自分の耳」です。叩いた瞬間に「あ、この音だ」と感じられるヘッドに出会えたら、それがあなたのサウンドの核となるかもしれません。
同じ素材・同じシェルでもヘッド1枚で別の楽器になり得るので、いろいろ試しながら、定番に縛られず直感で「いい音」と判断したものを選ぶ経験を積むことをお勧めします。それを繰り返すうちに、音作りのスキルは飛躍的に向上すると思います!
DrumNaviでは引き続き、上達に役立つ情報をお届けします。